① 鏡の前でのため息
つけまもしたし、チークもばっちり。 鏡の前に立つわたしは、客観的に見れば「かなり可愛くなった」はずだった。 なのになんだろう、全然かわいくない。心が置いてけぼりになっている、この違和感の正体は何?
そんな時、外からバイクの音が聞こえた。 うちの前で止まった気配がしたけれど、少しするとまた音が遠ざかって静かになる。「郵便屋さんかな?」
② すすだらけの笑顔
トントンと階段を下りてポストを覗くと、親友の「えみこ」からのエアーメールが届いていた。 「今時、メールじゃなくて手紙かよ」なんて口では苦笑いしながら、ハサミを探してジョキジョキと封を切る。
中から出てきたのは、海外の放牧場で働いているえみこの写真。 顔はすすだらけだし、お世辞にも「バッチリメイクで可愛い」とは言えない姿。 でも、すごくいい笑顔。 「可愛くないのに、めちゃくちゃ可愛い。……わたしと、何が違うんだろう?」

③ 張り詰めていた糸が切れた夜
後日、えみこが一時帰国して、昔みんなでよく集まったカラオケボックスに大集合した。 お互いに少しずつ大人になって、環境も変わった。 思い出話に花を咲かせ、近況を語り合い、「また絶対会おうね」と約束を交わす。
ふと、部屋のドアの隙間から、廊下に漏れ聞こえてきたメロディに耳が止まった。 流れていたのは、あの頃みんなで歌った岡本真夜の曲。
「なみだの数だけつよくなれるよ」
その瞬間、張り詰めていた心の鎧が、音を立てて崩れ落ちた。 堪えきれなくなって、みんなの前で少し泣いちゃった。
④ 大人の鎧を脱ぎ捨てる時間
こういう瞬間って、きっと誰にでもあるはず。 メイクをして着飾っているのに「可愛くない」と感じてしまうのは、大人としての鎧をガチガチに着込んでしまって、自分の本当の顔が見えなくなっているから。
そんな時は、あの頃のメロディに身を委ねて、思い切りはじけてみませんか?
一番多感だった頃に聴き込んだ音楽は、身体がちゃんと覚えています。耳馴染みのある「あの頃の揺らぎ」が、あなたを最高の没入時間へと連れていき、大人の疲れをほどいて本当の笑顔を取り戻してくれますよ。

