● 時は1960年代、アメリカで巻き起こったヒッピーカルチャーの全盛時代。時を置かずして、その大きな波は日本にも押し寄せました。
● ジャパニーズ・ヒッピーの女王――私は、中島みゆきをそう呼びたい。
● この意見に、疑問を持つ方も多いでしょう。確かに、彼女が紡ぐ歌詞には現代的でドメスティックなものも多い。しかし、彼女の音楽から発生する「リズム」、そして音符にも書けないような「機微の空白感」、あの独特な声質……。
● 店内BGMに世情がかすかに流れている。この音楽をリアルで聴いていない世代の若者が、立ち止まった。背筋を伸ばして。真剣なまなざしで。
● 彼女の音楽から発生する「リズム」、そして音符にも書けないような「機微の空白感」、あの独特な声質。何かが、時代を超えて人の背骨に触れる。

● あれをジャパニーズ・ヒッピーと呼ばずして、一体なんと呼べばいいのか。私にはわからない。
● 圧倒的なカリスマ性。好き嫌いははっきりと分かれるアーティストですが、現代の「マカロニえんぴつ」や「カネコアヤノ」といった今のチャートを賑わす若手たちにも、多大なる影響を与えていることは、音を聴けば周知の事実です。
● それは、誰も出会ったことのない――ユートピアなのか?

